旅に出るといろいろなことがありますが、今回はパリでちょっとしたボッタクリにあった話です。
現在、パリ市内は結構治安が悪いらしく、観光客はみなほとんどがリュックを胸の前にして(普通とは反対に)つけていたのが印象的でした。
私は観光客です・・・といっているようで面白かったですが。
フランスへ
いつかはヨーロッパへ行きたいと思っていたのと、娘の留学が終わりそうだったので思い切って出かけることにしました。
行き先はフィンランドですが、その前にフランスに寄ろうとおもって航空券を取りました。
フランスの滞在6日間で実質現地5日間です。
シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内へ
シャルル・ド・ゴール空港についたのが夕方でパリ市内のコンドミニアムまで行かなければなりません。
これが意外と遠くて、交通手段は鉄道、バス、タクシーが考えられます。
鉄道事情 RERでパリ市内へ・・は危険?
フランスの鉄道にRERとよばれるものがあります。メトロと呼ばれる地下鉄もあります。RERは格安でシャルルドゴール空港からパリ市内へ行けるんです。ところがいろいろ調べていくうちに、最安のRERを使う方法はとても危ないらしいことがわかってきました。
実際に乗ったわけではありませんので、どれくらいの危険度かは実感はありません。
しかし、旅行記をチェックしていると車内で背負っていたリュックごと引きずられて連れて行かれそうになったとか・・・怖い話がいろいろ出てきます。
RERは治安の悪いところを通るようなので、初めてのパリでフランス語もわからない私としてはこれはパス。
ではバスか?
これも考えましたが、ホテル前まで行ってくれるわけではないので荷物が多いと大変そうです。
また、いかにも旅行者です・・という顔をしてスーツケースを引きずりながら街なかを歩くのもちょっと気が引けて。
このころは、パリ・・・怖いところという観念がいっぱいでした。
タクシーの料金とプチボッタクリ事件
そこでタクシーにすることにしました。
タクシーは規制がかかって、シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内まではメーターを使わず定額になったらしい・・・という情報が引っかかりました。
・シャルルドゴール空港-パリ右岸 50ユーロ
・シャルルドゴール空港-パリ左岸 55ユーロ
私のコンドはパリ右岸なので 50ユーロ です。
そして当日、空港のタクシー乗り場へ行ってタクシーをつかまえました。
行き先を告げると、人の良さそうなおじさんはOKOKといって荷物を運んでくれます。
しかし、この運ちゃん英語があまり通じない・・・片言ですね。
フランス語を話すみたいですが私にはちんぷんかんぷんです。
どうも話を聞いているとナイジェリアからの出稼ぎらしいです。
ところが・・・メーターを入れるではありませんか。
固定料金のはずでは?と思って聞いてみるとこの時間はメーターなんだという答え。
ふーん・・・でパリ市内までいくらかかるのか?・・・と聞いてみると、
「そうだな。だいたい80~90ユーロくらいじゃないか」とのこと。・・・たっ高い!
カードはだめだというので、現金でということだったんですが、空港で現金に変えたのは60ユーロのみ。
で、50~60ユーロしか持ってないと告げると、不機嫌そうな顔に。
で、ATMへよるからそこで金をおろせとのこと・・・「問題ない!」との仰せ。
その間にも車はどんどん進みます。降りようと思ったけどそのまま乗っていってしまいました。
Uberはどうか?
なぜ降りなかったかというと、空港について最初に Uber ウーバーで行こうと思って検索してみたのです。
そしたら、ウーバーの料金も70~90ユーロなどと出たので、タクシーの運転手のいうことが本当かもしれないと思ってしまったからでした。(ウーバーの料金は時間と混雑具合により変動します)
しかし、ふと窓ガラスを見ると、小さい字・英語表記で
シャルル・ド・ゴール空港 ⇒ パリ右岸 50ユーロ
シャルル・ド・ゴール空港 ⇒ パリ左岸 55ユーロ
との表記が・・・!
そう告げると、慌てた表情でこの時間は非常に混雑しているから迂回が必要だ。なのでメーターになっているんだ、説明します。
スマホのグーグルマップの画面を指差して、「ほら、こんなに混雑しているからね」と必死に何度も説明するので、ウーバーのこともあり、すっかり信じてしまったのでした。
でも運ちゃんはこの頃はかなりフレンドリーになって、「日本人か?」と聞くのでそうだと答えると「日本は素晴らしい。などとおだてるので気分を良くして話していました。
で、運ちゃんの言葉通り混雑を避けて迂回すると危険区域に入ったのですが、運ちゃんはドアをロックして窓を絶対に開けるなと指示。
ドアを開けられて強盗にあうことがあるとのことでした。
外を見ると移民らしいホームレスのテントがずらり。このあたりの落書きがとにかくひどい。
花の都パリになんちゅうことすんねん・・・という感じですね。
パリに危険区域があるのはどうやら本当らしいことがわかったのでした。
タクシーにしてよかった、と思いつつ乗っていると、運ちゃんのナビ兼スマホにテレビ電話が。
どうやら故郷に住む両親からでした。
なんと、運転しながら談笑します。前見ろよ!と思いつつ、私も釣られて、テレビ電話の先のご両親にご挨拶しました。
とても人の良さそうなご両親でしたね。
運ちゃんが、しきりに「マイ ペアレント アンポンタン」と言うので笑えてきたのですが、あとから「important」のことか!と気づいたのでした。
話を聞いているとこの前ソニーの盛田昭夫を乗せたとか・・・・。
運ちゃんによると、彼はフランス語を喋ったそうな。
盛田昭夫(1921-1999)ってもう死んでるやんって思いましたが。ひょっとして盛田昭夫の子供かな?
お人好しの日本人
そうこうしているうちに、タクシーはホテル(コンド)の前に。
ちょっとあたりをうろうろしてから(一方通行とかあったみたいです)ホテル前に横付けにしてくれました。
あれ、ATMは?と思ったのですが、運ちゃんから55ユーロでいいよ・・・との予想外の請求が。
いや悪いから・・・と思いましたが、55でいいというのでお言葉に甘えることにしました。
日本人を褒めることをかなり言ってくれていたのでまけてくれたのかな?と勝手に思いつつ、感激して握手までしてしまったのでした。
ちょっと気を良くしてホテルにチェックインして部屋でネットを見ていると、なんとやはり
シャルル・ド・ゴール空港 ⇒ パリ右岸 50ユーロ
シャルル・ド・ゴール空港 ⇒ パリ右岸 55ユーロ
で間違いないようで、しかも法律で決まっており違反者には罰金も・・・
あれ?やっぱり固定料金?
もっとよく見ると、時間・混雑による例外はないとのこと。
だまされた!と思うとかなり腹が立ってきました。
しかも私はまけてもらった・・・と勘違いして嬉しさのあまり、別れのとき、握手、お辞儀をして手をふってしまったのです。
今思うと、運ちゃんは振り返りもせずそのまま不機嫌そうに走っていってしまっていたのがちょっと不思議だったので、コレで合点がいったのでした・・・・。
固定料金50ユーロのところ55ユーロ払ったので、5ユーロのプチボッタクリにあった事件でした。
私のホテルは右岸にかなり近いところだったのですが、パリ右岸は55ユーロだったのでまあいいか・・・と思えましたが。
5ユーロくらいチップやるのにと思ったのですが、まさしく、お人好しの日本人だったな・・・と反省。